OB 小室宏二

「火曜日」

OBの小室宏二です。
今回は私の今と昔をご紹介します。

私が子供の頃、一番好きな曜日は「火曜日」でした。土曜や日曜でなく、なぜ火曜なのかというと火曜は店の「定休日」だったからです。

私の両親は「宝ずし」という小さな寿司屋を営んでいました。飲食店ですから土日は当然営業があり、正月や盆はむしろ忙しいくらいで、長期休みもなくひたすら働いていました。

母は家事に育児、そして店の従業員としても重要な役割を担い、朝から晩まで忙しくしていました。

私はというと、小学生の頃から店の出前や皿洗い、エビの仕込み、米とぎなど、やれることはなんでもやっていました。

夜は両親が働いているので兄と2人で食事をし、洗濯して風呂に入り、テレビを見て、そして2人で寝ていました。両親が帰ってくるまで起きていようとしたこともありましたが、帰宅が遅いため殆ど起きていられませんでした。

もっと小さい頃は、寂しくなってしまい家を出て数百メートル先の店まで泣きながら彷徨い歩いていたこともあったそうです。

そんな毎日のなか、店の手伝いもなく、帰宅すると普通に両親が家にいて、普通に家族で食事をし、家族4人揃って寝る「普通の日」が火曜日でした。そしてその火曜日が私が最も好きでした。

翻って、私も親となり娘も小学1年になりました。小さい頃はママ一辺倒だった娘も、最近は「3人で寝よ」と私の帰宅を待つようになりました。私は寝る前、絵本を読んだり、適当な作り話をするのですが、娘はそれが楽しみなようです。

しかしながら私も平日は忙しく、帰宅は毎日22時前後になってしまいます。土日も柔道関係で不在のことが多く、娘と一緒に寝られる機会は滅多にありません。

ある時、私は思い至りました。
私が子供の頃に抱いていた寂しさ、それをまた娘にもさせてしまっている。
いつかは親父を嫌がる時が来るだろう、でも一緒に寝たいと言ううちは少しでも一緒にいるべきではないかと。

働き方、時間の配分、少し改めることにしました。家族のために。