石井孝法 167

みなさんこんにちは.
石井です.

今日は,ただただ独り言を.
先日,全国小学生学年別柔道大会が廃止になりました.
これにより,SNS上でいろいろと意見が飛び交ってます

これをみて,非常に残念に感じています.
個人の意見をいうのは簡単ですが,
基本的に,批判的思考が働いておかず
議論が深まってません.
(これは日本の教育の問題なのか(~_~;))

批判的思考では
結論,前提,推論を明確にして
それぞれが妥当であるかを考えます.
今回は全柔連が
「全小を廃止する」という主張
つまり,結論を出したわけです.
この結論の前提は何だったのでしょうか.
それは(メディアでは)
「全体的には勝利志向が強すぎる。
 これは指導者の問題だけではない。
 試合に勝つことばかりを評価する
 日本社会の問題でもある。」
としています.
この前提から推論し
結論を出しています.
ですので,この結論に対して
賛成・反対という自分の結論を
言ってもほとんど意味がないです.
もう決まったことなので.

ここで,批判的にみるなら
この前提が本当に正しいのか
そして,推論は妥当なのかを
指摘しなければなりません.
最初の指摘は,
勝利志向が強すぎると何が問題なのか?
本当に指導者の問題だけじゃないのか?
本当に日本社会の問題なのか?
になると思います.
で,上記を指摘するためには
歴史的な背景を知る必要もありますし
他競技や他国の事例などエビデンスが
必要になります.

ここではあえて
エビデンスは書きませんが,
少し深堀りすると
社会的な評価と運動有能感の関係性
スポーツ離れの要因
身体リテラシーの知識と観察評価
動機づけ→アンダーマイニング効果など
といった話になっていきます.
ここらへんを抑えて
やっと前提と推論の妥当性の話ができるかなと.
正直,全柔連の前提や推論も
突っ込みどころはたくさんあります.
上記しましたが,
「勝利志向が強すぎると何が問題なのか?」
が示されていません.
僕が思っている問題点とは違うかもしれないですが
問題はあるのでその指摘は置いておきます.

全国大会のみの廃止で
その問題はまず解決できないでしょう.
問題を解決するための課題を設定して
全小廃止の先の具体的な計画を示す必要があります.
個人的にはそこまで見えて
今回の決断(結論)が妥当であるかを
突っ込みたいですが
たぶん,そんな具体的な計画はないでしょう.

SNS上では深まらないので
ほとんど黙ってますが,
子どもの社会的評価や
身体リテラシーに関する観察評価について
もっと議論したいなと思います.
こういう議論が「当たり前」になれば
全小は廃止にしなくていいってことに
なるんですけどね.
まあ,僕はマイノリティなので.

ちなみに全柔連の問題は
透明性がないことですが
これは論理のすり替えになるので
やめておきましょう.